鳥の感染症検査、なぜ必要なのか。
鳥の感染症検査について、あらためて当店の見解と対応について、ご説明いたします。
とても大切なことだと考えておりますので、hpのサイト「コンセプト」にもこの内容を掲載いたしました。
なぜ感染症検査が必要なのか?
一般的に病院における健康診断は、糞便、そのう検査等 顕微鏡で判断できるあくまで現時点での健康状態の判定であり、それに対してウイルス等感染症のPCR検査は顕微鏡では確認できない現時点の状況と今後の未来を予見できる検査となります。万一陽性の場合、ウイルスは他の健常な鳥達へも感染させていくリスクがあります。
またウイルスが発症した場合、ワクチン、特効薬がない為、対症療法となり、多くの鳥種で完治するのが現状困難で、やがて衰弱し、短命で亡くなるケースが多いです。このような理由から、感染症検査は、お迎えした鳥、そして先住鳥を守り、安心して健やかなバードライフを過ごす為には、とても重要なことだと考えております。
当店で依頼するウイルス等感染症の検査について
当店では、原則 3種類の感染症検査を依頼しており、今までの知見から鳥種によってウイルスへの感受性が異なると考えており、また検査機関は、国内にあるケーナインラボ 様、CBL 様、米田遺伝子型研究所 様となります。
・大型インコ、オウムの検査 ①鳥ボルナウイルス ②PBFD ③クラミジア
2018年前後から、大型鳥 特に輸入鳥において、鳥ボルナウイルス(ABV)は拡大傾向にあり、昨今最も注意すべき、ウイルスだと考えます。PBFDはインコ、オウムにしかかからない免疫不全症、クラミジアは鳥自体早期投薬により、治りますが、人間にも移る感染症です。こちら詳細 鳥ボルナウイルス もご覧願います。
・中型インコの検査 ①BFD(APV セキセイインコの雛病)②PBFD ③クラミジア
BFDは殆どが1歳未満の幼鳥しか発症しないといわれていますが、急性の場合、健康に見えても翌日突然死することもあり、検査以外に対応する術がありません。小型、中型鳥は感受性が強いかと思いますが、大型鳥では殆ど罹患を耳にしたことはありません。
・小型インコについて
中型インコと同様の検査が望ましいですが、生体代より、検査費用が高くなる、もしくは販売価格に占める検査代の比率が非常に高くなり過ぎる為、当店では扱っておりません。
また各種感染症の症状等 詳細については、鳥病院等のサイトを幾つかご覧いただければと思います。
最後に、全体的なウイルス等 発生率の把握は難しいですが、資料や知見から、皆様が思っているより、結構高いと思います。また不幸にもウイルスに罹患し、発症した鳥達のお世話を自宅で個別隔離し、看護した経験もありますが、「とても辛く大変であり、可能な限り一般飼養家の方にはそのような経験をしていただきたくない」という強い思いがあります。